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「障害者の雇用の促進に関する法律」によれば、事業主は雇用する労働者数に100分の1.8(障害者雇用率)を乗じて得た数以上の障害者を雇用しなければならない、と義務づけられている。100分の1.8の雇用率であれば、56人に1人以上の割合で身体障害者または知的障害者を雇用する必要がある。
顧問先A社の専務(社長の息子)はなかなかの手腕家で、近年事業の拡大が顕著である。その会社が昨年末にマッサージ屋を始めた。身体障害者を雇用して店舗展開をするかたわら、企業に対しては福利厚生の一環をとして、”オフィスにマッサージ師を派遣”しようと、企業訪問を始めた。 企業B社を訪れ提案をしたところ、マッサージをするスペースはあるが会社に関係のない人をオフィスに入れることはできないという理由で断られた。 それなら・・・、 法律で定められた障害者雇用率を下まわれば、不足分1人につきひと月5万円を納付しなければならない(常時雇用労働者数300人超の事業主が対象) そして企業のイメージも悪い。 そこで自社の障害者を企業に送り込み、社員の福利厚生(マッサージ)をしながら雇用率の達成にもなる事業を興してしてみてはどうだろうか?・・・と考えた。 <社労士の回答> 障害者を雇用することで初めて雇用率を達成できるので、自社の社員を”派遣”することは無理である。特例会社(子会社と関係会社がある)なら、一定の条件が整えば子会社(又は関連会社)に雇用されている障害者を親会社の事業所勤務者とみなしてカウントすることができる。 マッサージを営む会社が顧客の特例会社になれないものか・・・、具体的な内容について調べてみることになり、職安の担当者のもとを尋ねた。 <特例子会社等の要件> ①親会社の要件 ・子会社(関係会社)の意思決定機関を支配していること ②特例子会社の要件 ・雇用される障害者が5人以上で、かつ全従業員に締める割合が 20%以上であること。 ・障害者の内重度身体障害者及び知的障害者の割合が30%以上 であること ・障害者の雇用管理を適正に行うに足りる能力を有していること ・その他 <職安の担当者への質問> 意思決定機関を支配とは?、株式の持分比率について?、短時間勤務者(30時間未満) の障害は 障害者1名にはならないの?・・・等々。当方の質問に対し、ひとつひとつ丁寧に 回答をしてもらった。 大企業では、視聴覚や聴覚が不自由な社員を採用しての事業を行う特例子会社を作り、親会社や関連会社の障害者雇用率の達成に貢献させているという。だが、我・顧問先が、企業とタイアップして特例子会社を作る(付くってもらう)のは難しいのではないだろうか・・と聞いていて思った。 案の定、同行した顧問先の管理部長は、”チョット無理、専務に何と報告しようか!”と悩んでしまっているようであった。 その後、数日経つが、障害者雇用に関する質問等が来ないところをみると、やらないことになったのかもしれないナ・・・ PR 業務上災害で左足首のじん帯を切断した社員について、通院に要するタクシー代を請求 できるかどうかについて質問を受けた。 ★ 業務上災害に於ける労災保険給付の種類には、 ①療養補償給付 ②休業補償給付 ③障害補償給付 ④遺族補償給付 ⑤葬祭料 ⑥傷病補償年金 ⑦介護補償給付 がある。 ★ 通院の為のタクシー代は、①(療養補償給付)→(移送費)→(通院)から支給される。 ①原則として、自宅から(勤務先から)病院への距離が4㎞以内で、交通機関を利用する 距離が2㎞超の場合は支給される。 ②本来は、公共機関を利用した場合に支給されるものであるが、歩行困難な場合などで タクシーを利用しても支給されることになっている。 ただし、最寄りに診療に適した労災指定病院があるにもかかわらず、自己の判断で選択 をしたような場合は、これには該当しない。 ★今回のケース ①事故後、本人の希望でのA外科にて治療を受ける。会社の近くには大きなB病院はある ②4㎞の範囲で2㎞超えの交通利用機関有り、この条件に該当する ③ギブスや松葉杖を使わなければならす、公共機関による通勤は困難 監督署に相談し、一応請求をしてみることにはなったが、なぜA病院?自宅の近くではある ようだが、最寄りの労災指定病院はなかったの?と、質問を受けた。 提出してみなければわからないが、①の部分で0Kになるかどうか・・・疑問である? 以前の経験から、移送費の受給はかなり難しいと思いこんでいたこともあり、提案すらしな いでいた。 今回、通院移送費は受給ができろかもしれないことがわかり、良い勉強になった。
<職員募集案内> 4月から社労士試験合格者で実務の勉強をしたいと思っている人を採用する予定です。 現在、当事務所で働いているK社労士さんは、自分の夢に向けあらたな一歩を踏み出すことになり、3月末で退職(巣立ち)することになりました。その後任として働いていただく方を今回募集します。 雇用条件に関しては希望者に対し別途お知らせしますが、基本的には毎月15日、2~3年間勤めていただける方と一緒に仕事をしたい!と思っています。独立したい人の応援体制でもありますので、勤務日数や勤務時間などはその時の状況をみながら対応していきます。 これまで、数人の社労士さんがこの事務所から卒業していきました。みなさんすばらしい人達で、職場の第一線で活躍しています。 その他、この事務所の仕事にかかわった社労士さんもいて、年に1度は交流会をしています。その先輩達も新しく入られる方の応援をしてくれると思います。 一緒に働きたいと思う方、推薦したい人がいる方・・・、ご連絡下さい。 新規に仕事をいただいた場合、先ず「雇用保険被保険者台帳」を取り寄せることにしている。 それは、雇用保険加入者の生年月日・加入日、パートかどうか等について記載されているので、会社の従業員構成を知る上で大変貴重な資料となる。 雇用保険の取得・喪失手続きがきちんとおこなわれているかどうかもすぐわかる。今年になって、10年以上働いている社員が雇用保険に未加入であったことが判明した事例が2社もあった。もちろん、給与時には本人から保険料を天引きし、その分を納付しているのである。だが、雇用保険は10年以上未加入であることが判明しても、2年以上さかのぼって加入することはできない仕組みになっている。 < A子さんの例 > ・52歳、 平成7年11月から10年以上勤務、1週間に22時間30分働くパート労働者 ・事業所閉鎖に伴い全員解雇。そのうち、A子さんだけ雇用保険の取得届けを忘れていたことが判明 失業保険給付 ・賃 金 日 額 1日 2,262円 → 基本手当 1日 1,809円 ・所定給付日数 270日分(事業主都合による解雇、45歳以上、10年以上勤務) ・本 来 支 給 1,809円×270日=488,430円 ※ きちんと手続きがなされていれば、488,430円分の失業手当が受給可能 解 決 案 ・2年前に遡って雇用保険に加入。→2年前の賃金台帳と出勤簿と雇用契約書写を添付 ・その後離職手続きをして、1年以上の加入期間有りで給付を受ける。 → 所定給付日数180日分が受給可能となる ・本来なら270日もらえる人なので、差額90日分(162,810円)は会社が負担する。 上記の提案をしたものの、経営難の為に事業所を閉鎖することにした社長としては、差額金も払えないかもしれない。とにかく、資格取得手続きだけでも早く・・・と督促し、社長からの連絡を待っているところである。
< B男さんの事例 > 正社員 32歳 10年勤務 2年遡って取得手続きをおこなうが、その差額に対する対応策は2つに分かれた。 ① 上記A子さんのように、退職時に本来支給との差額を会社が負担することを約束する。 ② まだ若いので、本人が退職するのはだいぶ先のことになる。その時は、現スタッフは会社にいないだろうから、8年間分(2年遡り分を控除)の雇用保険料差額を本人に返却する。 社長としては後まで長引かないよう②による解決を進めたいようであるが、先ずは本人に事情を説明した上で希望を聞くことにした。 結果はまだ届いていない。
あってはならないはずなのに、顧問先の社員が仕事中にケガをし、健康保険(政府管掌)で治療を受けていた。 卸売業の会社で(建設業の元請けには無縁)、安全担当者もその社員のケガのことはわからなかったらしい。社保から事故状況確認のハガキが来て初めて知り、「仕事中のケガ」として報告をした。 ◆ 次の手順で健康保険から労災保険への切り替えを行った。 <社保事務所から次の書類が届く> 1月中頃(ケガをしたのは昨年の7月初旬) ①療養の給付費返納通知書 : 債務者氏名、事業所、債権金額、医療機関名等が記載 ②健康保険保険給付内訳 : 診療年月、点数、割合、金額が記載 ③納入通知書 : 厚生保険・特別会計、○○社保事務所、返納額、納付期限等が記載 ④診療報酬明細書交付依頼 :委任状(労基署長→社保事務所長、レセプト請求時使用) ⑤労災保険給付を請求する方へのお知らせ:手続き方法や相談先の電話番号が記載 <手続きの流れ> ・ 納付書で7割分を返納 → 労災請求書作成 → 自己負担分の領収書を預かる → 監督署に請求書提出(通常の労災給付を申請する受付と同じ) <労災保険給付請求時提出書類> ・労災保険給付請求(今回は治療のみで休業なし) 7号用紙 ・社保からの書類①③④を添付 ※ ④診療報酬明細書交付依頼書があれば、請求書に医療機関の証明はいらない。 また、自己負担分の領収書を紛失しても、この依頼書で対応してもらえる。 ※ 私の場合、健保から労災への切り替え手続きをしたのは、今回が初めてである。社保事務所や監督署からいろいろ言われたりお叱りを受けるのかと思っていたら、意外や意外、何も聞かれず親切なものであった。これが建設業(いや労災隠しのニオイがする事故)であれば別だろうけれど・・・
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